よくある高校生の恋愛ラブコメかな?と思ったらおおまちがい
「スキップとローファー」って、なんて可愛いタイトルだろう。
最初はそんな軽い気持ちで手に取ったこの作品。
でも、ページをめくるたびに、私はどんどん心をつかまれていった。
よくある青春ラブコメでしょ?って思っていた自分をひっぱたきたい。
この作品はそんな“枠”じゃ収まらない。
人の心の奥深くにそっと触れて、
「大丈夫だよ」ってささやいてくれるような、そんな物語だった。
主人公のみつみちゃんだけじゃない、魅力的なキャラクターたち
主人公のみつみちゃんは、石川県の田舎から東京の高校に進学した女の子。
しっかり者で真面目で、ちょっとズレてるけどとても素直で明るい。
彼女のまっすぐな行動が、ときに空回りしながらも周りの人の心を少しずつ変えていく。
でもこの作品のすごいところは、
ただ“みつみがすごい”で終わらないこと。
周囲の子たち――志摩くん、結月、誠、江頭さん……
誰もがそれぞれの不安や過去やこじらせを抱えている。
けど、ちゃんと時間をかけて、みんながほんの少しずつ“自分の足で歩いていく”。
それがもう、たまらなく尊いのだ。
みつみちゃんは完璧じゃない。
志摩くんだって、ただのイケメン優男じゃない。
むしろ彼の“かかえてるもの”に気づいたとき、
私は予想外の深さにガツンとやられた。
この作品は、わかりやすい「壁ドン」や「すれ違いラブ」じゃなくて、
もっと静かで、リアルな人間関係を描いている。
「仲良しグループ」とはなにか、
「本音」と「建前」の境目とは。
大人になって忘れてしまいそうな、
でも確かにそこにあったあの空気を、まるごと描いてくれる。
もはや人間ドラマ!全世代の人に読んでほしい
何度も読み返してるのに、毎巻必ず泣いてしまう。
なにかドラマチックな事件があるわけじゃない。
でも、心の中のちいさな変化や、
ほんの一歩の勇気が、すごく大きな意味を持っているって教えてくれる。
そういう“泣き”って、ずるいよね。
「スキップとローファー」は、ラブコメの皮をかぶった人間ドラマ。
たくさんの不器用な人たちが、お互いを見つめて、ちょっとずつ変わっていく。
その姿は、きっと読む人の心にも重なるはず。
私は読むたびに、「自分にもやさしくなっていいんだな」って思える。
そんな作品、なかなかないよ。
今日もまた読み返して、私はちょっと泣いた。
でも、泣いたあとに残るのは、やさしい風みたいなあたたかさだった。
スキップとローファー(1) (アフタヌーンコミックス) Kindle版
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